余計なことを

けっこう落ち込む。

カレーを。

カレーを失敗した。

私のバロメータのひとつに、疲れてくるとおいしくないカレーを拵えるというのがある。

疲れた。。。献立を考えたくない。カレーにしよう。

そこで大人しく素直なものを作ればいいのに、こういう時に限って妙なことを思いつく。

おそらく、疲労した頭が、何かひとつ気の利いたことをして自分を納得させようとしているのだろう。

行き詰まったらカレー、疲れたらカレーというところから一捻りしたという前向きさに、地味な自己満足を求めているのだと思う。

失敗の原因はいつも同じで、あれもいれちゃえという衝動。

冷蔵庫に微妙に残っている惣菜や野菜室や冷凍庫で眠っていた素材をええい、入れちゃえと放り込む。

カレーはすべてを引き受けてくれるという信仰心が仇となる。

ミートソースやラタトゥイユだとトマトがいい仕事をして相性もいいようだ。味に深みのあるおいしいものが出来上がる。複雑で、何日も煮込んだかのようなものになる。

私ってセンスあるのかもしれない。

この数少ない成功体験を再びと、放り込む。疲れている時に限ってこういうことをやる。

今日はナスの南蛮漬けの残りを突っ込んだ。

ナスのカレーってあるし。そんなに酢を効かせていないから大丈夫。

ところが、ナスを炒めた胡麻油が強烈に主張した。

カレーのルーなんぞに負けてなるものかと、プンプン胡麻の風味をさせるのだ。

おまけにナスに絡めた片栗粉も邪魔をする。

ルーの中に溶け込んでドロドロと、魔女の作ったなにかのようなあやしい粘度が加わった。

ルーのとろみとは違う怪しいドロっと感。

味見をする。

捨てるほどのものじゃない。が、おいしくない。

時間をおいては何度も何度も舐めてみる。そのたびに気分が重くなる。

あぁ・・・。

ただいま絶賛落ち込み中。