ちょっと休憩

一週間、記事を書かなかった。

体が心が精神がパキッと止まってしまった。

今もそんな感じ。

それでもこうしてパソコンを開くとこができるようになったのは、少し状況に馴染んできたからだろう。

息子の就職が決まり、ふわふわと現実味のない日々の中、ある日突然「どうもこれはおかしい」と感じて医者に行った。

予想外の診断で、予想外に深刻だった。

幸いすぐ死ぬとかそういうものではないが、長く生きることできるの、私、大丈夫っ?と重苦しい気持ちになった。

そんな私を息子が「なんて言われた」と聞くので「疲れやろって」と答える。

夫には「今のままでは危ないって言われたからさあ。しばらく本格的に養生するわ」とだけ言った。

「ふーん、ゆっくりしなさい」

とだけの反応をし、すぐに髭をそりに行った彼に、危険度が伝わっていないのか、それとも先のことと思って今は関心が薄いのか、どっちなのか絡みたくもなったが、じゃあ、今何をどう言って欲しいのか、どう対応して欲しいのかといえば自分でもわからない。

結局、私の人生のことだもの。

 

でもよかった。

これでまた、方針が定まった。

息子が巣立っていったら、さあ何をしよう、家族を支えることを第一にするのは終わりにして、自分を充実させないと。それには何をどう見つけて打ち込めばいいんだろう。

そんな漠然とした迷いがあったが簡単に答えが定まった。

朗らかに丈夫に長く生きる。

それだけ。

ここからの私はそれだけのために生きる。

 

この文章を書いたからもう、大丈夫。

全てはいい方向に向かっていると、やっぱり思える。

 

でもちょっとしばらく休みまーす。

ぐうたらぐうたらぐうたら、気まぐれにしまーす。

 

勝手言ってすみません。

就職活動終了

息子が内内定をいただいた。

ありがたい。本当にありがたいことだ。

実を言うと盲腸の手術の日が第一志望の最終面談日だったのだ。

執刀医の先生から早朝、これから手術すると連絡の入ったとき

「お腹も病院に来てからの点滴が効いたようで、だいぶ柔らかくなってきたので一旦退院して就職活動してきてからでもよくはなってきたんですが、ご本人にそう言ったところ、予定通り今日、やるとおっしゃってるので、これからやりますね」

と聞かされ「お願いします」と返事をしたが、内心、その決断をした息子に一瞬心は揺れた。

息子を見舞うと

「これでダメだったら縁がなかったってことで」

と力の入らない表情で言う。

「大丈夫、なんだかわからないけど、全ていい方に向かってる途中なんだよ」

「そだな」

「そうそう」

 

合格ですとの電話がかかってきたのは改めて受けた最終面接の翌晩だった。

ドドドドドっと階段を夫と息子が降りてきて

「受かった」

と教えられた。

 

力がヘナヘナと抜けていったように思う。

ああやっとゴールに辿り着いた。

やっと社会に送り出すところまで来た。

学生時代、紆余曲折を散々し、学食にもサークルにも違和感を持ち続けてきた息子が、とうとう自分の望む社会を見つけ、そこに居場所を得た。

高校を受かったときより、大学を受かったときより、学科移動合格したときより、今一番晴れやかな顔をしている。

よくここまで妥協せず流されず、自身の持つ違和感を守り抜いたと思う。

 

彼のスタートライン。

そして私の親として、第一段階ゴール。

 

産んだ時からずっと、彼のことを自分の子供というよりは

「神様から預かった命」だと感じていた。

神様から社会に送り出すまで、毎日お世話をするようにと預けていただいた命。

だから極力、自分の好みや希望は引っ込め、本人がやりたいと言うことを全面的に肯定し、応援することに徹した。

あるときは、「ええっそっちに進むのっ?」と、なんとかして方向転換させたくなるようなこともあった。

が、その度に「預かり物預かり物」と念仏のように唱えてやってきた。

確かに息子は私がイメージしていたものより大きくかけ離れた青年になった。

私ごときの小さな世界観、価値観で包み込まなくて本当によかったと思う。

 

親としてあれこれ手をかけてこなかったくせに

知らせを受けた一昨日の晩から明けての昨日から、放心状態が続いている。

きっと私なりにどこかにぎゅっっと力を入れてきたんだろう。

喜びよりも今は安堵感の方が大きい。

 

すべてのことに心から感謝します。

ありがとうございます。

 

パン

母から大量の食パンをもらった。

正確に言うと「あなた、持ってかない?」と言われ、引き取った。

コロナ感染予防のために、ずっと休みだった老人会の体操教室も来週から再会する。

今日はその前準備として役員だけが集まって打ち合わせをしてきたのだそうだ。

「ただいま・・・」

ちょうど庭で昨日買った苗の植え付けをしていたところに帰ってきた母は、あきらかにげんなりしている。

「なんか皆さん、いろいろご意見おありで、ずっと話してるの」

家の中では女帝の母も、外に出ると大人しい。

ずっと早く終わらないかと黙って座っていたと言う。

そんなのどうでもいいじゃないのと、イライラしてるのをグッと抑えそこにいたに違いない。その我慢も加わって疲れ果てたのだろう。

「あら、お花・・また買ったの・・可愛いじゃない・・」

ヨロヨロと玄関の扉を開けるその手に、そういえば、パン屋の一番大きな、茶色のビニール袋がぶら下がっていた。

「どうでもいいけどあなた、パン持ってかない?」

夕方、枝豆を茹でたので持っていくと、そう言う。

厚切りのパンド・ミーが8枚、大きな袋に入っている。

食パンは家にもあるし、面倒だなと思ったが、いらない?と言われたときは断ってもゴリ押しされる。それでも断るとお臍を曲げる。

経験上、ありがたくいただく。

「ほら、だってこれ」

机の上には、甘いお豆のパン、果物の乗ったデニッシュ、クロワッサン、食べかけのアンパンの半分がビニールに包んで置いてある。

「どうしちゃったの」

「わかんないのよ、頭がボーッとしててたくさん買っちゃって、食パンも三斤くらい入ってたのよ、これ、うちの冷凍庫にも入れての残りだからね」

だからねって。

相当、緊張し、その緊張が解けてお腹も空かせた状態で店に寄ったな。

わかる。疲れてお腹空いてると、見たもの全部美味しそうに見えるんだよね。

そして、家に帰ってクールダウンして、買い込んだ量にびっくり仰天する。

「ちょうど昨日トマトソース作ったから、ピザトーストの状態にして冷凍しとくわ。土日の朝に便利だし」

「あ、そう?じゃ、もっと持ってく?」

いえいえいえいえいえ。