それは突然やってきた

それは突然やってくる。う、動けない。

今週は庭の芝刈りをしたり母の家の買い物をしたり、排水溝の掃除をしたりと思いつくまま動いた。毎日、もうダメだと思い布団に入るが目が覚めると不思議と動ける。

一晩寝ると回復する体力がついてきたのだ。

それが嬉しくてまた、思いつくままあれやこれやと夏に備えて家の準備をしていた。

明日は選挙。夫が午前中から義兄と会う約束があるので期日前投票にいくことになった。ちなみに明日はというと、もはや参加することに意義があると言われているTOEIC。私は全く暇なのだがなぜか夫婦揃って選挙にいくのが決まりのようになっている。

「土曜日、出かける前、朝一番で行くからね」

つまり8時半ぴったりにドアの前で待ち、一番乗りで投票するというのだ。

ラジオ体操から戻り、夫にだけフレンチトーストを作る。

車で向かい、予定通りまだ閉まっている投票所の扉の前に8時15分に到着していた。

「これが本投票の日だったらテレビカメラに映るね」

二人で笑う。

家に帰宅したのが8時50分。

そのまま夫は出かけて行った。

遅い朝ごはん。食べながらなんか変だ。頭がプチプチっとショートする。おっかしいなあ・・・となってそこからしばらく記憶がない。気がつくと横になっていた。

眠っていたのか、意識が飛んでいたのか。

笑える。急にゼンマイのネジが切れたのだ。そこに至るまで気が付かない自分の間抜けさ加減がおかしくなった。

もう今日はダメだ。夕飯は作り置きをそのまま出すんでいいや。タッパーごと並べよう。

重い体を引きずり立ち上がる。

トイレから出てくると電話が鳴った。夫からだった。

「ごめん、今日、兄貴とご飯食べてくる。ごめんね」

今週は連日飲み会続きだったので妻の機嫌を伺っているのだ。

「いいよ。大丈夫だよ。」

電話を切る。ニヤリ。

さっきまで鉛のように重かった体と気分が半減する。心が軽くなる。

なーんだなんだ。ご飯いらないのか。

息子から電話が入る。

来週冬の布団をそっちに持って行っていいかと言う。

ついでにオレオレ詐欺に引っかかるな、金がもし本当にいるならちゃんと会って話すからと念を押される。

体調はどうだ。

大丈夫。

明日は夕方に仕事のイベントが入って一日中忙しいらしい。とにかく食べて寝るように、実家をいいように利用しろと言い電話を切った。

元気が湧く。

ポンポンっとプレゼントが二つ、降ってきた。

突然の不調にすぐさま対応するかのように降ってきた。

ありがとう。神様。