不在着信

朝起きたらLINEに息子からの着信記録があった。

不在着信という文字に切なくなるとまではいかないが、この電話を諦めて切ったとき、どんな状態だったのだろうと心がぎゅっとする。

おそらくまた、冷蔵庫の奥から出てきたこれ、まだ食べられるかね、というような類のことだろう。排水溝のカビ取りの仕方を教えたからその酸素系漂白剤の臭いがすごくてこれは大丈夫なのかということか、それとも冬物の布団カバーの洗い方か、消費期限を二日過ぎたパンは食べても平気か。そんなところだろう。

しかし、もしも。もしも仕事が立て込んできて疲れてしまってただ会話をしたくなっただけだったら。

出てやりたかった。

気になったがそのままにしておいた。よほど電話をし直そうかと迷ったが、必要ないからそれきりだったのだ。

やっぱり消費期限云々の類だったのか。

電話したことすら忘れているのか。

そうだといい。

・・・気になる。