たったそれだけのことなんだけど

笑顔を褒められた。

毎朝公園ですれ違う4人組の先輩たち。

その中の一人と偶然バス停で会った。歯医者に行くので向かって歩いていると、ベンチに腰掛けこっちをじっと見つめる女性がいる。どこかで・・・あ、あの人だ。

四人の中の一人だった。私に気が付き見つめていたのだ。

挨拶を交わすと

「あなたの笑顔がすっごくいいわねって言ってるのよ、私たち」

と言われた。びっくりした。

「ぺこって頭を下げる時にニコってするでしょう。あの顔がすごくいい。気持ちがいいわ」

笑顔には自信がなかった。痩せてシワシワの顔だから笑うとお猿さんみたいになるから笑うなと母に言われてから気をつけるようになった。最近では、知ったこっちゃない、と開き直っているがそれでも、一人鏡の前でニヤっとしてみて、ああ、こんな顔を晒して笑っていたのかと落ち込む。

それを気分が良くなると好む人がいた。

「皺なんて。あなたのは笑顔のいいシワだからたくさん作りなさい」

嬉しかった。

今の現在進行形の自分を受け入れられたようで。

大袈裟かも知れないけれど、この地球にいてヨシっと認定されたようだった。

そっと神様にお礼を言った。