姫の誕生会

私のお誕生会、お寿司でもとって久しぶりにみんなでやろうと思うんだけど。

母が言う。

これはつまり、やれということだ。

この言い方がそう言うことだと理解するのに時間がかかった。先日も門の前の溝に泥が溜まってて・・・ま、今日は疲れてるからやらないわと言った。

これもやっとけよということなのだ。

一応遠慮はしているが、頼みたい。そんなとき、こんな言い方をする。

それに気づかず言葉通り「ふーん」と構えているとだんだん不機嫌になって自分でやりだす。が、気が利かない、私を労っていないと怒り出す。

やってね。そう言わないとわからない鈍感な娘に苛つく母。ようやく最近このような事故は減ってきた。

お母さんのお誕生会、うちでやろうと思ってたよ。

あらそうなの。でも私、当日は銀座で食事会だからね。

近所の従姉妹がお祝いでご馳走してくれるそうだ。

孫ちゃんにもきて欲しいから都合聞いといてよ。

話はそこで切れた。

夕方母が小さなメモを持ってやって来た。

これ、お姉さんのお休みの日。この日のどれかにして。孫ちゃんのと合わせて決めてよ。

ずらっと5月の2日から19日まで飛び飛びで8日、候補が箇条書きで並んでいる。

誕生日より一週間後とか前になってもいいの?

いい。私はいつでもいいから。

それよりも姉も息子も揃った方が嬉しいのは当然のことだ。

わかった。二人のスケジュールを調整してご連絡いたします。

急いでよ。お姉さんの予定、コロコロ変わるから。

わかったわかった。

メモ書き、可愛い。