昨日は息子がバイトの歓送迎会で夕飯がいらない日だった。
先週からそれは聞いていて、密かに密かに楽しみにしていた。
夫と二人となると、夕飯は鍋でよろし。なんならお寿司を買ってきたってよろし。
21にもなっているのだから、もう、そうそう神経質にならなくていいとも思うのだが、息子の食事はどうしてもエネルギーがあって、タンパク質が豊富で、野菜もあってといった献立にしたいと思う。
彼が自分で昼などにカップラーメンを食べたり、スナック菓子を買ってきても、それはそれで気にならない。
バイトの朝も冷凍パスタばかり食べているようだが、それについても「まあいんじゃないの」と思う。
しかし、私が作るときは、なるべく、肉、野菜と揃っているものを並べたい。
自分が安心するからかもしれない。
もう今は、170近くになったので、本人も「コンプレックスはなくなった」と言っているのだから、身長が延びるようにと気負う必要もない。
だが、それでもガッツリカロリーのあるものをと鳥の唐揚げやハンバーグをせっせと作る。
よく、ご主人が夕飯いらない日は、手抜きができるというのを見聞きするが、私の場合は逆なのだ。
夫と二人の食卓は、こういった責任感から解放される。
朝目覚め、すぐ「あ、今日、ご飯いらない日だ」とニンマリした。気が緩んだのか、何にもする気にならない。
「今日、息子がご飯いらなくて、何も作りたくないから、なんか買ってもいい?」
「いいよ、ピザでもとる?」
いいねえ。
1日家の中でKindleの整理をしたり、読みかけの本を読んだりと3時過ぎまで過ごす。
「やっぱお鍋にする。お肉買いに行こう」
「いいの?」
彼は彼で妻が自分のために鍋を拵える決心をしたのだと思い込んでいる。
夫と二人、スーパーに行き、ついでにアイス、お煎餅を買い込んだ。
「ピザはとことんダメなときにとっておく。次回使うから有効でとっておくからね」
疲れた胃袋は柔らかく煮たクタクタの白菜を、たっぷりの大根おろしと刻んだネギと一緒にポン酢につけて食べたいと求めていた。
「ありがとねえ。」
「いやいやいやいや。私のためです」
自分の食欲に従いせっせと大根をおろす。
食べたいと思うものが浮かんで、それをその晩、準備して食べられるって実は相当の幸せ。
白菜が甘くて美味しかった。
夫は大匙一杯には全く気づかす、残り少ないワインを
「あれ、思っていたよりまだあった」
と嬉しそうに飲んでいた。