突き抜けて自分

ラジオ体操をするときに、周りにたくさんの人がいる。

もともと体の不自由さがあるので動きに不自然さ、というより妙な格好になるところがちらほらある。

始めた頃はそれを意識し、ひとり格好悪いなあと恥ずかしく思っていた。自然と動きも小さくなり、やらないよりマシだという感じでただ、参加して帰ることを目標にやっていた。

それがだんだん、不出来なりにもできることが増えてきた。

飛べなかったのが5ミリほど、やがて、1センチ、3センチと飛ぶ。

伸びなかった腕も伸びるようになってきた。

そうすると楽しくなってくるのだ。ただ、飛ぶことが。ただ、腕を首をまわすことが。

気持ちいいと体が喜ぶのがわかる。

だんだんは次の段々を呼ぶ。

だんだん、人にどうみられるかなどどうでもよくなってきた。

飛ぶのに夢中。

やりながら目の前の木の葉っぱを眺める。風に揺れるのをみるとそれが会話のように感じる。

空を見る。雲の形が毎朝違う。

散歩で通過していく人。連れられている犬どうしのじゃれあい。

どれもがおもしろくて、あちこち視線を耳を飛ばしながら体を動かす。

人の目を気にしないってこんなに自由。

人と比べないってこんなに楽しい。

どう思われようと、一切気にならない境地になったとしたらもっと達観した毎日になるんだろうなあ。

亡くなった母方の祖母はそういう人だった。

突き抜けて自分の人だった。

たくさんの情報もはいってくる。

大勢の人の目の中で暮らす。

それよりもっと強い自分軸を作ろう。そうしたらきっともっと味わい深い生活になる。