昨日の夕方シャッターを下ろすとき、窓に蛾が1匹張り付いていた。
コンコンと窓を叩いて飛んでいかせてやる一手間をめんどくさく思い、ええい許せとそのままシャッターを下ろした。
窓とシャッターの間に挟まれ逃げ場がなくなった蛾は、窒息死するかもしれない。
ちらっとそうよぎったのに、めんどくさがったのだ。
命を見捨てたわけではない。けれど、それに近いところもあったのだ。
蜘蛛もミミズも基本的にはできるだけ、殺したくない。
つまんで移動してもらう。昨夜の蛾だってそうすればよかったのだ。
小さな命に感情はあるのか。無いというけれど、波動や周波数のようなものはあると思う。
シャッターを閉めて、風呂に入る。夫が帰ってきて夕食を食べ、テレビを観て、寝た。
すっかり閉じ込めてしまった蛾のことなど忘れていた。
今朝、夫を見送り窓に立つ。
ふと見ると窓にまだ昨夜の彼が張り付いていた。
よかった。生きてる。
じっとあのままここにいたのか。若干、位置が上に移動していた。
忘れていたくせにホッとした。