とうとう新しいクリニックに移動した。
今日、紹介状をもらったその午後、行ってきた。間をおいて緊張感を抱えたまま日々を過ごすのが嫌だった。勢いのあるときに行ってしまおう。
疲れた顔をしてるよ。またにしたら。
夫にそう言われると少し心が揺らぐ。体は疲れている。顔もげっそりしている。新しい先生に会うには一旦休んで、また別の日に少しでも晴れ晴れとした顔つきで行った方がいいのかもしれない。
医療センターから帰宅し、夫にそう言われ、遅い昼ごはんを食べようかと用意しているところに母に呼ばれた。
戻ると時計はちょうど3時5分前。午後のクリニックの診療は3時から。
やっぱり行こう。
このモヤモヤした不安と緊張を早く取り去りたい。
歩く道すがら、自分が平常心でないことを感じる。
大丈夫、大丈夫。
神様、もし、どんな展開で、なにを言われても、どんな対応をされても、私が私のことを愛することが揺らぎませんように。
もう、なにがあっても私は自分を嫌になったりしない。
たかだか紹介状をもってあたらしい先生のとこrにいくだけだというのに、覚悟がいった。
これまでの経過をどう理解されるだろう。
精神科に行き、摂食障害になり、もともとからの虚弱に加え、てんかん、心臓、肝臓。
あれこれ根掘り葉掘り聞かれるだろうか。そうしたら全部話そう。
クリニックは午後一番乗りで誰もいなかった。
泣きそうだ。
先生はやさしかった。
とんでもなく、優しい人だった。
なにも聞かない。私が息子に申し訳ないことをしたと思っているというようなニュアンスのことをつぶやくと、それは違う、息子さんもお母さんのピンチを感じていたはず、その中で自分は何ができるかと思っていたはず、それが家族というものですよ、私の目を見て、まっすぐ見つめて仰ってくれた。
泣きそうだった。
先生に何か聞かれたら全部話そうと思っていた。自分のことをどこか今でも恥じているけれど、話そうと思っていた。
現代、この地域に生きていると誰もがなにかしら抱えます。これも決して珍しいことではないですよ。恥ずかしいことではないです。その人その人によってどう出るか、が違うけれど、だれにもありうることです。
今日、行ってよかった。
この先生に決めてよかった。
これからは一ヶ月に一回、通う。