雨あがりの朝、歩いてきた。
今日はラジオ体操は休み。ひょっとすると数人はいつものあの屋根のある場所に行ったのかもしれない。目が覚めた時はすでに6時半を過ぎていた。
雨音が聞こえる中、布団を被りもう一度目を瞑る。
静かな朝だった。
窓からの光が強くなり、鳥が囀る。何度も同じリズムとトーンで聞こえてくるその音は鳥の鳴き声というより、なにかを交信しあっているように聞こえた。
鳥の言葉なんだろうな。
鳥も生活してる。
うずうずしてベッドから抜け出して外に出た。
いつもと違う道を通り、神社に向かう。なんだか呼ばれているうな気がしたのだ。
おいで。今日は公園に行かなくていいんだから。たまには顔見せにおいで。
いつもは途中で曲がる緑道をまっすぐ進む。
雨があがったのを見計らい、犬の散歩に出てきている人とすれ違う。
紫陽花が綺麗だった。
ここは春には桜が美しい。この緑道脇の住人はいいな。
私の住んでいるところのすぐそばに、こんな美しい世界があったんだ。
こっちまで足を伸ばしてよかった。