ちょっと凹んだけど、許すことにした

結局、昨日はタイツを脱いで出かけた。

朝から機嫌よくさっさと履いていた。それぞれ予定があったのでお墓の前のお花屋さんに夫と息子と午後2時半に現地集合の約束だった。

簡単に夕飯の準備をし、昼ごはんを食べる。

立ち仕事をしながらじわじわ感じていた違和感がピークに達した。苦しい。めまいまでする。心臓がバクバクいう。

それでも未練たらしく粘ってみたが、ダメだった。

諦めて脱ぐ。脱ぎなら、自分に言う。

よく頑張った。進歩していたことには変わりない。諦めるな。ここからまた少しづつ慣らしていけば先は明るい。

いつもの楽ちんなスパッツとスカートとスニーカーで家を出た。

夫が先に来た。

紙袋を持っている。ここに来る途中に買ってきたと有名な果物屋のゼリーと息子にとショートケーキだった。

私へのホワイトデーがわりだと嬉しそうに笑う。

ありがとう。嬉しい。

そういう代わりに私は困った顔をしてしまう。もしかしたら嫌悪感を表したもっと嫌な表情だったかもしれない。

私は食べられないのだ。

なぜか、不意打ちのように出てくる誰かが買った食べ物を口に入れるのにものすごい葛藤がある。

頑張れば食べられるのだが、精神的にパニックに近いような落ち着きのない状態になる。

体質と持病の関係で食べてはいけない食品がある。

そしてそれを我慢させるために母にそれを食べたらあなたは死ぬと言われ続けた。

若かった母も必死だったし、本気でそう思っていたのだ。

そして、そんな私のへなちょこな体質を使えないやつだと半分冗談、半分本気でいつも揶揄った。

そんなことがこんがらがって、いつの間にか私は自分は人より劣った恥ずかしい存在だと思う。そしてさらにそれを拗らせてなんとか認められたいと思う。そして気がつくと何を食べてもいけないような、気分になってしまった。

食べることで楽しんではいけないと今でもどこかで思ってしまう。早死にしてしまうのではないか、精神のバランスを崩すのではないか。

実際のところ、少しくらいタブーな食材や外食をしてもすぐどうこうなるような身体ではない。

気をつけないといけないよと、医者が言っただけなのだ。

 

嬉しそうに笑っていた夫の顔がみるみる萎む。

ああ。どうして私はこうなんだ。どうしてここで手放しでわーいと言って食べないんだ。

夫を悲しませた自分が悔しい。そんな自分にがっかりする。うんざりする。

でも、許すことにした。責めない。責めそうになったけど、仕方ないね、いいんだよ、大丈夫と自分に向かって心で言う。

こんなややこしく気難しい自分に至ったのには私にしかわからない道のりがある。

夫は別に機嫌悪くはならなかった。ごめんと言って笑う。そのおおらかさにまた落ち込んだ。

でも許そうと思う。この今の自分の全てを許してやろうと思う。

夫がかわいそうだった。

夫に一生懸命尽くそう。