感謝の朝

昨日は意味のわからぬ絶不調だった。

なんとなく兆候はあった。寝れば治るだろうとゴロゴロ過ごし、騙し騙しやっていたのがついにドカンときた。

よりによって自分の誕生日でみんなが集まる日とは。

朝食後、寝る。ロキソニンを飲んで昼食後、寝る。

夫に夜のためにビールとアイスクリームを買ってくるよう頼み二階に上がり布団をかぶって本格的に横になった。

夕方、息子が来た。感動も喜びもないがやはりシャキンとする。

キッシュを温めコロッケを揚げていると寿司が届き母がやってきた。

ビールを飲み、寿司を食べる。

酔いが回っているのか体調のせいか頭がぼんやりしている。母が夫に何か説教のような、指導のようなことを長々と言って、夫はそれにはお構いなしでベラベラ喋り続けているのも、ぼんやりのおかげで気にならない。

息子の手がキッシュとコロッケに何度か伸びていることだけは気がついて、ああよかったと、満足する。

体調が良くない日でも母を交えて食事することを嫌だと思わなくなっている自分が嬉しかった。

息子が中座して誕生日プレゼントだと紙袋を持ってきた。

中川政七商店の小皿だった。トトロが絵付けされている。そのトトロの横からチビトトロがひょこっとこちらを覗き込んでいるのがなんとも心を打った。

母さん大丈夫か。元気にやっとるか。

そう言われているようで。

いやもちろんこれは不調のタイミングだったから余計に沁みたという、私の幻想。

思わずハグをし、机に飾った。

幸せだなあ。私、最近、時々思うんだよね。人の心の中って見えないけど実は私は宇宙で一番幸せの設定なんじゃないかってさあ。

酔っ払った開放感も手伝い恥ずかしげもなく言った。

母の前で幸せだと喜ぶことを遠慮していた。

あなたばかり恵まれてお姉さんが可哀想だと言われる。私も苦労しているのだとわからせて許してもらうような妙なバランスの取り方をしてきた。

もう、いいのだ。

誰に遠慮もしない。

私は満ち足りている。

ビールを飲んだ翌朝、頭はすっきり、身体も軽い。

幸せだ。