ほくほくした朝

朝、寝坊したのでラジオ体操はさぼった。

神社へ散歩に行く。

いつもと違う道を歩くといつもと違う朝に会えた。

ひたすら緑道をまっすぐ行くのだが、一つ大通りを渡った向こうの街。

散歩させている犬も、子供を少年野球に送るお父さんも、仕事に向かう男性も、みんな知らない、見たことがない。当たり前だけど、ここにも生きてる人のリズムがあって、それはみんなそれぞれなんだ。

比べる意味がない。

人間全員と自分を比べる意味がない。

すれ違うこの人達も、この人たちの喜びや充実感の中で暮らし、時々落ち込んだり体調が悪くなって戻ったり、波に揺られながら生きてるんだ。

それを強く意識するかしていないか、それもそれぞれ。

どれがいいとか悪いとかって、本当にない。

神様が一つとして同じものを作っていないのだから、私がこの個体であることにもなんの間違いもないんだ。

これでいいんだ。

神社を出て、いつもは入らないコンビニに寄った。イートインスペースに陽が当たり、静かで清潔。コーヒーを飲んだ。引き立てドリップを機械が入れてくれる。

いい場所見つけた。落ち着く。私を知っている人がここにはいない。

こんな朝もいい。

お気に入り散歩コースのレパートリーが一つ、増えた。