どうしようもなく眠くだるい。
これは、これはきっと春のせいだ。乱高下する気圧のせいだ。
実はここ数週間、ずっとこの調子で、毎日を過ごしている。
今はただ、ひたすらやり過ごすことにした。
これまでこんな時、なんとか生産的な日にしようと無理やり外を歩いたり、掃除したり、料理をしたりしてみたが、その日はそれでよくても大抵、失敗する。
数日後、もしくは数ヶ月後、精神的に不安定になったり、体調を本格的に崩したり、大きく振った振り子がさらに勢いをつけて戻ってくる。
何もかもが悲しくなったり。希望をなくしたり。自分がものすごくダメな小さな存在に思えたり。
熱を出したり、眩暈がしたり。
理由も根拠もわからないが、そうなることが多かった。
昨日も今日も朦朧とした意識の中、横になったり立ち上がったり。ランプが点いたり消えたりのようだ。
昨日、お雛様を出した。
亡くなった祖母が私の結婚を祝って作ってくれた。あの年もこんなふうにだるくて、今年はいいやと出すのをパスしたら、その年、倒れて入院した。
以来、うちのお雛様は私の守り神だと勝手に思い、必ず出すことにしている。
今年はしんどいので、一階まで持っていかず、息子の部屋の折りたたみ机に飾った。
学生時代の大きなデスクとは別に、小さな無印のものがあり、家で仕事をするときはそこを使っていた。
それを窓際に持って行き、クロスをかけ、御代理様とお雛様を置く。
人気のない部屋に二人だけでは、ちょっと寂しそうだったので、息子が私の母に初めて買ってもらったカエルのぬいぐるみと、自分で買ったトトロの小さなぬいぐるみをその後ろに並べた。
オレンジのチェックのクロスの上のお雛様たち。その後ろからちょっとびっくりした顔して覗き込むトトロと陽気に笑うカエル。
私の頭はすっきりしないままだけど、その光景を眺めると、気持ちが弾んできた。
お雛様も今年は陽気な祭りでとまどっているかもしれない。
でも、賑やかで嬉しそう。