昨日は久しぶりの健診日だった。
この病院で検査をするのもおそらくこれが最後。来週、最後になる予定の診察を受け、いよいよ春からは近所のクリニックに通う。
深刻な治療を要する人、緊急な人、新たにクリニックより紹介状を持ってやってくる人、退院直後の人、を主に扱うことになった。
つまり私はそのどれにも当たらないわけで、卒業ということになったのだ。
治療はこれからも続く。けれど安定している。なにもこの大きな病院にくる必要はもうない。近所のクリニックに引き継いで診てもらい、何かあったらこちらにすぐ来てください、という流れで連携しているところを紹介された。
正直なところ半年前にこれを聞かされた時、すごく動揺した。
杖を取り上げられてしまった。これから一人で支えもなく歩いて行けというのか。
けれど今はもう、なるようになれ。という心境だ。先生が大丈夫だろうと思ってそう判断したのなら、大丈夫なのだろう。
私がどう思うとかでなく。ならきっと大丈夫。そんな感じだ。
最後の検査はいつもよりフルコースだった。
私の持病は治療が簡単ではなく、長生きできたらいいね、でも中にはそういう人もいるから、落胆することないよ、といったもの。うっすらそれはいつも頭にある。けれど、このご時世、どんなに健康でもいつなにがあるかわからない。そういう意味では誰もが死については未知のところにいる。
できる努力はして、投げやりにはならず、けれどそこに意識を持っていかない。
そうしている。
昨日の検査の結果は嬉しかった。
はっきり毎度危険ゾーンだった数値がやや、危険のゾーンに移った。
微妙ながらグラフがいい方に上がっていた。
真っ赤なゾーンから、黄色の危険信号のゾーンの下の方に移動しただけで、まだまだ正常値のグリーンは遠い。
そんなこと関係ない。明らかにいい方向に向かっております。当事者比ですが。
検査が終わって検査室前のトイレに行った。
このトイレも入院中、何度も入った。退院する時はこの前に夫が立って待っていた。
夫にも世話になったんだなあ。
12年経ってやっとそんなことをしみじみ思う。やっと気がつく。
やっぱり大事にしよう。
毎日を。夫との毎日を。