雪の朝

雪の朝。

そっと抜け出して街を歩いた。

さすがにfラジオ体操もも休みだろう。雨でも屋根のあるところに集まる少人数の人達も、今朝は家にいることだろう。

それでも、犬の散歩をしている人がいた。

犬が、興奮してはしゃいでいるのが犬を飼ったことのない私にもわかる。

早起きをして家の前の雪かきをしている男性がいた。ガレージに子供用の自転車が並んでいるから、家族のためにだろうか。車をだすためだろうか。

公園は静かだった。

いつものバスケットボールの練習をしている子たちも、階段を上り下りしているお婆さんたちも、ランナーも、いない。

雪の上を歩くって、筋力を使うんだな。

滑らないように、上から踏み締める。いつもより意識して足をあげて、おろす。

踏み締めるとき、足をひきぬくとき、まっすぐ踏み込み、まっすぐ持ち上げる。

すこし前に重心をおいて。

ときどき顔をあげて周囲を見渡す。

足元ばかりみていた視界がぱっと広がった。

また、歩く。

ただ、普通に歩けること。暖かい帰る家があること。コンビニがあること。灯りがついている。街は小さく、呼吸している。

普通だとおもっている日常は、尊い

誰もいないと思ったら、いた。