息子がこないとわかって、ピンと張っていたものがゆるんだのか、昨日はどうにも調子がでなかった。ラジオ体操には行ったものの、帰宅して、テストと眼鏡を作りに行ってくると言う夫を送り出す。いってらっしゃーい。窓際に立ち、手を振り終えるとにんまり。
さぁて、なにするかな。
そこから。
するべきことやるべきことがない、今日は1日なんにもしないぞと、ほくそ笑んだとたん、体は重くなる。朝食後、とりあえず横になる。するともう起き上がれない。眠いのに眠れない気だるさの中、ひたすら体を横にしていた。うとうとしては起き上がり、トイレ。また、ゴロン。やばいぞと思ったからか、頭痛と発熱までやってきた。
やばいやばいやばい。
そうなるとそれを払拭したいから、作り置きがあるのに、なにか作ろうと台所に立つ。
料理をはじめると、そこに集中してまぎれることがよくある。
けれど、熱のせいか何を作ろうか頭がまとまらない。
白菜と豚肉の蒸し物をセットしたのが冷蔵庫に入れてある。今晩はそれと決めてあるのに、なぜかホワイトシチューを作った。変な組み合わせ。
結局、1日、ダメだった。ふらふらどこか行こうかなどと予定していた日曜日は、むなしく過ぎていく。
笑点をぼんやり眺め、こういうとき、お笑い芸の人の存在って救ってくれる。尊い職業だなあなどとぼんやり考える。
息子から電話が入った。
「昼ごはん食べてうとうとしちゃって、まさかの、今、起きた」
あっちもあっちで呆然としている。
はっはっは。わざと大笑いをしてやった。
「いい、いい、いい。疲れてんだよ。この数週間、仕事と荷造りと、業者とのやりとりとで神経も頭も体も、思ってる以上に疲れてるんだよ。気持ちの方はさあって張り切ってるけど、身体の方は休みたがってるんだよ。よかったよ。神経ピリピリして突っ走ってバタンってなるより、休みたいって信号、キャッチするだけ、リラックスしてきたってことだよ」
言いながら、自分にも言い聞かせているような気になった。
ほっとする。
体を休めたのだな。
「私も今日は1日調子出なくてゴロゴロしてた。でも突っ走るのやめとこって思ってさ」
夫が返ってきた。
「メガネ作った〜。息子から電話あった?あ、ビール、買ってきた」
こちらはいつも至って通常運転、ダイヤが乱れることはほとんどない。
安定している人がひとり、家にいる安心感。