トンチンカン

明日、息子の荷物の集荷が来る。

テレワークにしたそうで、明日は段ボールを運び出すだけでその翌日、新居で荷物を受け取り、いよいよそこから新生活が始まる。

つまり卒業式前前夜が今晩。

やっぱり私はピンときていない。小中高と、卒業式は当日になってもどこか現実味がなく、感傷的にならなかった。年中行事の一つのような、特別感に浮かれ、涙する友人を慰める。

そのまま例年と似てるようで本当は大きく違う春休みを楽しんで新学期、新しい校舎をくぐり、知らない先生、知らないクラスメイト、初めての制服に興奮する。緊張と興奮が落ちつきだいぶ慣れてきた頃、突然、数ヶ月前までの仲間や景色や空間が懐かしくなり、もうそこには二度と戻ることがないのかとやっと気がつくのだ。

ピンとくるのに大抵、2ヶ月から3ヶ月の時差がある。

これもそれなのか、それとも自分の日常はそう大きく変わらないと思って安心しているのか。

今の私が、あ、そうだそうだと慌てているのは冷蔵庫にあるシャウエッセン、息子がいるうちに使ってしまおう。冷凍しておいた牛肉も。冷凍クリームコロッケもだ、なんてことばかり。

夫は糖尿病の家系だからできるだけ和食中心にしたい。これまで青年には物足りないだろうというとき、付け足すように使っていた。息子に三つ、夫に二つ。それももう必要ない。夫向けの食卓にウィンナーはグッと減らすつもりだでいるから。あれも確か賞味期限、23日だったよなあ。。。。

この辺でまた思う。

そうか、隣り町だし、もう数年会わないってわけでもない。クリームコロッケなんか、入れときゃいいんだ。

私がダウンしたとき、使ってもいい。

こんな馬鹿げたトンチンカンなことを考えるあたり、私もそれなりに緊張しているのかもしれない。