彩り

朝の散歩の帰り、スタバに寄った。

抽出方法やメニューにこだわりのある店で、お決まりの緑のエプロンもここは黒。

店員は皆、豆に詳しい。

上等な家具。ルイ・アームストロングのクリスマスソングが流れていて落ち着く。

朝7時7分。

自分のための時間。

えいっと入ったのだった。お洒落な雰囲気だし、こんな格好のダサい私は場違いかも。

いいや。入ってみたいなと思ったら入るのだ。

人がどうとかじゃない。私が。惹かれたから入る。

想像以上に居心地がいい。

この空間の心地よさはイマジネーションでは感じられない。一歩、中に入ってみないと知らずに通り過ぎた。

知らなきゃ知らないで不便もない。でも、知って体感して味わった。豊かになった。心が弾む。くつろぐ。未知のものに開けていく。

昨日、ふと思ったのだった。

もう誰かをがっかりさせることを恐れるのはやめよう。

息子も成人した。夫も母も姉も自分たちの人生を歩いている。

私が彼らの期待を感じ取って応える必要などないのだ。

彼らは彼らで彼らの人生を。私は私の人生を、時間を、悦びを。

これまでの生き方はあれはあれで必要だった。

ああしないと生き延びられなかった。

守ってやりたいと自分で望んだ。

もう、それも一段落した。

ここからは自分の時間を自分で彩る。

なにから始めたらいいのか、自分がなにを求めているのか、手探りでわからない。

だから、この店に一歩踏み込んでみたのだった。

こんなに心地いいとは。こんなに自分が喜ぶとは。

こういう些細なこと。こういうのを拾っていこう。

今日は日曜日。ご機嫌から始まる私のための日曜日。