ラジオ体操、2日休んだ。
再開してから3日目の今朝、声をかけられた。
「2日?3日?忘れた、でもいなかったよね」
前に立ってお手本をやってみせる係の女性が体操の始まる前に寄ってきてくれた。
熱を出し、コロナかインフルかと慌てたが、ロキソニン1錠で平熱に戻ったから違ったようで安心したと話していると、私が可愛らしくていいなあと思っているお婆さんもやってきた。
「なにお熱?風邪?治ったの?それはよかったわね」
ふっくらした身体の後ろに手を組んで、黒いニットの帽子をかぶってニコニコとゆっくりこちらを見ている。
ええ、もう大丈夫なんですと言っているところにラジオ体操の音楽が始まった。
それと同時にそれぞれがいつものポジションに戻っていく。
数秒。ほんの数秒のやりとり。
自分が姿を見せないと、いないなと思う人達がいて、やってくると来たなと思いなにがあったと聞きにくる。
立ち入ったことは誰も話さない。
今日は寒いね。もう紅葉も終わりね。カラスが今日は多いね、あら、誰かがお米を撒いていったんだわ、それでだ!大掃除はもうした?する?しない。昔は棚の中まで食器を出して拭いたけど、もうしない、見えるとこだけ。そうよね、私も。
体操が終わればみんなさっさと帰る。それ以上の付き合いはしない。
ゆるく、優しいコミュニティ。
その中にいつしか私も含まれていた。
ゆるい優しさが心地よかった。