思いがけず掃除

生協さんの配達が届く。

荷物の中におでんのときに具材を分ける用のステンレスの仕切りがある。これを楽しみにしていた。これで、きれいなおでんが作れる。

さっそく鍋にセットしてみる。ぴったりだ。もう少し浅めの鍋でも使えることがわかり、気持ちがあがる。

洗面所を水だけできれいにするスポンジも待っていた。これもいますぐ試してみたい。ちょっとだけ、どんなもんかやってみる。

水をつけて擦るが、思ったほど落ちない。うっすらとこびりついた茶色のよごれも簡単にするっといくものだと期待していた。不精が祟った。

ムキになって台所からクレンザーを持ってくる。それを垂らしてくるくるやると落ちた。

おお・・。

すっかり気をよくしてこれが落ちるならと、風呂場の床も磨く。

使用説明に使い捨てとあった。洗面所だけちょろっと使って捨てるにはおしい。クレンザーのくっついたまま、風呂場に移動して床も磨く。

こっちも頑固。

やりながら気が付く。

今日を境に気温が下がるのだ。今日が年内小春日和最後になるかもしれない。天気のいい日はまたあるだろうが、20度越えはもうないだろう。

水回りの大掃除、ここを逃してはならぬと本腰をいれる。

窓からふんわり、生暖かい風がはいってくる。

せっせせっせとやるうちに、なにかのスウィッチが入り、石鹸カスのこびりついたドアとシャンプー入れのラックと、鏡も磨く。

シャワーで流すと服に水がかかり、脱衣所まで濡れた。

脱衣所の床も拭く。

全部きれいにならないが、擦れば落ちるものだけでもさっぱりした。

おお・・・。

ぷち。

そこで充電が切れた。

頭はもっともっとと思うのに、体はもうやだーと言っている。

やーめた。

洗面所が明るくなった。こんなに汚れていたのか。

風呂場の床がきれいになったのがうれしい。なにをやっても落ちなかった。

あちこちに残した頑固なくすみや汚れはいいとしよう。

二十点だったのが六十点にはなった。

これでいいやと満足。

これで今年の大掃除、風呂場と洗面所、やったことにする。