朝ごはんに鯖の味醂干しを焼いていたら火災報知器が鳴った。グリルをちょっと「焼けたかな」と開けただけなのに。煙に反応したのか。
サイレンが鳴り『火災報知器が異常を感知しました。確認してください』と甲高い声のアナウンスが響き渡る。
あららら。
「ちょっとそこの、装置停止ボタン、押してくれる」
そこにいた夫に頼むが、思っていた以上に慌てていて、どうしよどうしよと言いながらあちこち無駄に動き回るだけで、肝心のボタンをなかなか押してくれない。
一旦、サイレンが治った。とおもったら、また騒ぎ出す。
「どうしたらいい、どうしよ」
「そこの踏み台で、そこのボタンを、押して」
「これ?これ?これでいいの?」
「はよ押せ」
カチ。止まった。
もう。なんであんなふうにすぐ慌てちゃうんだろう。
「この鯖、食べて大丈夫?」
「大丈夫ですっ」
はっ。こ、これは・・・。
抜き打ち確認テストだ。
昨日じゃないか。穏やかな日常、動く身体がどんなにありがたいことか。今度こそ忘れませんと誓ったのは。
忘れとらんじゃろな。
神様、あわわわわ。今のは違います。違います。
夫はその後、二階に上がり、寝ている息子をわざわざ起こし「今の警報は誤操作でした」と言っていた。
平和な朝。平和な夫。
感謝します。