針の抜けたハリネズミ

昨日は一日、落ち込んでいた。

もっと自分は大人だと思っていたのに。母からの言葉にあんなに動揺するとは。がっくりだ。

お姉さんのためにあなたを産んだのに役に立たちゃしない。

そんな子供の頃の記憶にいまだ縛られていたのもどうかと思うが、もっと驚くのはそこに気がついていたのに、解釈をアップデートできていなかったことだ。

むむむ。

いい歳してまだお母さんお母さんと認められたかったのか。

母を解放すると決めた。

愛を持って解放。

求めず、ただ、愛する。

そう決めた。

そうしたら自分が自由になった。

なんだこの開放感。

自分に対しても優しくなれる。

「いいのいいの、あんたはそれで。」と一つ軽くなった。

いじけての結果ではなくて、これが最終ゴールだったのか。

それともまた何かあるたびに私の中の子供の私はベエベエ泣くのか。

もう泣かないような気がする。

母とはいい友達になれそうだ。

彼女を解き放したら自分が自由になった。

みんなみんな、夫も私も母も姉ももちろん息子も、そのまんまで完璧だ。

もう「これでいいのか」と見えない基準に照らし合わせジャッジすることも減る気がする。

もうしないかも。

みんなそのまんまでいいんだから、必要ない。

いらなくなった。物差しも、ジャッジも。

それが私の真実。

なんだろう。

何も状況は変わっていないのに、全てが急に愛おしい。

どうしちゃったんだろう。

急に身体中からトゲが抜けたような感じ。

トゲトゲはもういらない。