不完全が完全なのね

きのう、やたら眠くてだるかった。

もうこれからは嫌だと思うことはやらないと決心をしたばかりだから変に張り切っている。やらない自分になるぞと、そのあたり、不自然な力がはいる。

そういってしまえば、あれもこれも本当はめんどくさい。

好きでやってるのは散歩、料理、読書と海外ドラマ。

洗濯を干すのも実はめんどくさい。

風呂掃除もおっくう。

トイレはやらないとムズムズするからこれは自分でやりたい。

ゴミ袋の入れ替え。

お風呂の排水溝の掃除。

ではこれらをどこまで家族にふっていいのだろう。

本当は全部いい。

これまで文句をいわれるのがこれまためんどうで、頼むのをやめてしまった。

「え、今?なんで俺?おやじは?」

と言う息子。

「あ、やるやるやる、父さんやるよ」

といって一週間待ってもやらない夫

イライラする自分も嫌。さっさとやってしまったほうが精神衛生上ずっといい。

白か黒じゃないんだから。そんならもういいと、きっぱりしてしまとたのは失敗だった。

「トイレの消臭スプレーのフィルム、剥がして新しいのにしておいて」

「あ、はいはい」

意外とすんなり夫はやってくれた。

息子。遅く起きてもう洗濯が済んで空っぽの洗濯機に脱いだ寝巻きをいれる。

「その寝巻きとかタオルとか、自分で洗濯機回してね。」

「あ?あぁ、うん。洗剤入ってるの?」

「まだ。あ。それで、洗濯が済んだら干すのもちゃんとやってから出かけてね。それで二階に上がったら取り込む方は父さんに頼んどいて」

「俺を利用する気だな」

息子が笑う。

「心配するな。利用するのはおまえだけじゃない。男チーム全員だ」

夕飯はピザにしてもらった。

「届いたら受け取ってよー」

隙あらば寝室のベッドに逃げようとする夫に寝っ転がりながら言う。

「わたし、ご飯前、お風呂入るかもしれないから」

段ボールの箱を剥いたそのままのピザにサラダもない。テレビでラグビーを観ながら、それぞビールでいい気分になり、喧嘩をしながら笑いながらの食卓は陽気で気楽。

スプレーのフィルムを剥いてもらうのがあんなに自分の機嫌をよくするとは知らなかった。

あれ、これからは夫の仕事にしよう。

テーブルに並んで座る二人は不機嫌じゃなかった。食事が済んでもなんとなくみんな居間に残る。

こんな感じでいいんだ。

これでいいのか。

ビールの酔いと合わさって脳みそがゆるゆるしている。いい気分の夜。