競わない比べない

友人に自分の摂食障害を話したその晩と翌晩、二日連続で眠れなかった。

大仕事をしたからかもしれない。

これだけは誰にも知られたくないことをなぜ、話す気になったのかは自分でもよくわからない。けれど迷いはなかったので後悔もしていない。

会いにいく支度をしながら思った。

ああ、私は彼女に助けてと言うってことだな。

今、苦しんでいることを知ってほしい。それだけでそれ以上でもないけれど、知ってほしい。

なぜ、知ってもらうことが救いになるのだろう。

誰かに自分のすべてを晒して容認してもらうことで「生きてよし」と言ってもらえたような支えになるのかもしれない。

全くダメでうまく生きていない私。

それを知った上でまだ付き合おうとしてくれる。

バイトの仲間の集まりに、この流れでふらっと行っても、落ち込んでしまうような対応をされないのかもしれない。

「許される気がしてきた」

そうつぶやくと彼女はちょっと悲しそうに

「許すなんて」

と言った。

自分が傷つきたくないとか、哀れにおもわれたくないとか。

そんな自尊心、捨ててしまえ。

失礼な話だ。勝手に相手がこうするのではと想像して怯えてる。

彼女もバイトの仲間も信じればいい。

もう競うことは手放そう。

自分に負けた気がするといつもちょっと無理して頑張った。

弱い身体のままにしていたら、ぐうたらになるので、張り合った。自分の中で作った世間一般の水準に表面上だけ、取り繕って、そう見えるように、それらしくして納得できる自分になろうとしてきた。

認めてもらいたい。

それは自分こそが、自身にOKをだしていなかっただけだったんだ。

もう競わない。だれとも。私の理想像とも。

そんなことを考えながら昨日は1日ウトウトしていた。