日曜日。
無印良品に行って買っても買わなくてもいいものを買ってきた。
アイブロウがもうなくなっていた。欲しかったのはそれだけ。
ここで昔買ったチークブラシがもう、毛先がパサついて肌に当てると痛い。自分としてはそのとき奮発して買った記憶があったがよく考えてみたら当時、息子は幼稚園児だった。
さすがにもう新調してもいいだろう。
無印良品の化粧品の口コミを見ていたら50代の女性があれがよかったこれがよかったと言っている。
誰もアイブロウに関してなんか呟いてはいない。それでも無印で買うことに、特別感がある。いつものように薬局の隅で適当なのを見繕うんでなく、わざわざアイブロウを買いに無印良品まで行く、というのがやりたいなあと思ったのだった。
体はどんより疲れていた。体に連鎖して気持ちもなんとなく元気がない。気がする。
どうしようかな。
先日の神社が思い切って出てみたら予想以上に満たされた。
よし。
寝ている息子の部屋に向かって「ちょっと出てくるー」と声をかける。返事はないが、一応、声はかけた。
バスがなかなかこない。まず、ここで挫折しそうになる。
しんどい、やめようか。スーパーに寄って帰ろうか。
私の中の子供の私が「エェー、行くって言ったジャーン、イコーヨー」と騒ぐ。
バスが来た。
久しぶりの三軒茶屋は家族と恋人と友人とふらり楽しむ一人の人。みんな、日曜日。
店内にはもう秋物が並んでいた。
急にあれこれ欲しくなる。
いかんいかん、地下だ。化粧品売り場に降りていく。
お菓子が、料理のレトルトが、キッチングッズが。
あれもこれも見て回る。
口コミサイトでみんなが言っていたホホバオイルが置いてあった。SNSで大人気!とポップがある。
まんまとそれを試し、まんまとカゴに入れる。
新商品の発酵化粧導入液の小さいのも入れる。
チークブラシとアイブロウを選び、ついでにチークも一つ、明るいコーラルのミックスも。
白檀のお香。檜のお香。
じわじわとテンションが上がっている。
コーヒーの粉があった。無印特製ブレンド。こんなの出したんだ。そいう言えばもうずっとインスタントを乱暴に振り入れたのを飲んでいる。
忙しいとか、パパっとできるからとか。
そろそろこういう時間を取り戻そう。
それも買う。
結構な値段になった。約、八千円。
なったのに、罪悪感はない。
むふ。
私の中のちっちゃい私がスキップしている。
そのままどこにも寄らず、まっすぐ帰った。
息子が起きてきたところだった。
夫は相変わらず出かけていない。
すぐ、化粧品のポーチの中を整理して、オイルと化粧水とブラシとチークとアイブロウをしまう。
それからゆっくりとコーヒーをドリップした。
台所に広がるドトールの香り。
やっぱり違うなあ。
自分を可愛がるっていうの、こういうことからこまめにやってみよう。
めんどくさがらずに。ちょいちょいやっていこう。
体は疲れたのに心はほくほくの日曜日。