反省ではなく感謝

夜中、トイレに行く。

心臓の薬に利尿作用があるのでトイレが近い。異様に近い。

夜中は平均3回、目が覚める。長距離の移動はこれが理由で億劫になる。近所のコンビニや公園のトイレはどこが綺麗で快適か分布図のように頭に入っている。

私のトイレ事情はどうでもいい。

今夜もそれで目が覚めた。

午前3時。

夫は昨日、飲んできた。気まずいからか、全く気にしていないからか。陽気に酔っ払っては息子に「昨日はごめんなシャーい」と言っているのは、実は勢いがいるから。

いやいや。これまでそう理解して何度、ずっこけたことだろう。まあいい。とにかく無事に帰ってきたのだ。

彼の頭の中は計り知れない。

きっとお互い様なんだ。

ベッドに潜る。

綿のシーツが足にあたってサラサラ心地いい。

開けている窓からは虫の声がする。

ジ、ジ、ジ、ジ、ジ、ジ、ジ、ジ。

車の音。

平和だ。

夜中、聞こえてくる虫の音と気持ちの良い寝具。

自分の幸福を人の不幸と照らし合わせて申し訳ないと思う必要はないと思うけれど、遠いどこかでは今も爆弾や空襲に怯えて安眠できない人々が実際にいるんだ。

嘘をついたの、トイレが近いの、こんなレベルのしんどさで許してもらえている。

やっぱり感謝なんだなあ。

全てに感謝したくなった。

見えない大きな存在に伝わったろうか。

私はやっぱりありがたいと思いました。感謝します。ありがとうございます。