小さな私へ

読んでいた本の中に

「私だけをダイレクトに見てください。私だけを、ダイレクトに。他の人と比べたりせず、私だけを。」

というのがあった。

なぜかその言葉が残った。本当だな。

大勢の中というフィルターで無意識のうちに自分を見つめ、悲しんだり落ち込んだり、励ましたりしてきたが、一切、自分以外の人の存在を認識しなければこんなに気になるだろうか。

容姿にしても身体のつくりにしても頭脳、性格、全ての特徴に対してなんの疑問も不満も劣等感も感じず、そんなもんだとそれなりに力いっぱい楽しむだろう。

子供の頃の、本当に子供だった頃、なんか自分は人と違うと感じていた。それが大人になるにつれ、その違いがはっきりとして落ち着かなくなっていったのは社会という大勢の中に入っていったからだったのかもしれない。

違うことをどこか心の奥底で恐れ、隠した。

学校、会社、姉妹、他者を通して自分を知ろうとしていた。それは鏡の中の自分を見ても本当の自分の姿は永遠に見ることができないようなことだったのか。

けれどそれにも意味はあった。

人間社会という中での自分の振る舞い方をある程度は知れた。

けれど、もういいな。

もうそろそろ、ダイレクトに私だけを見よう。

地球という星で遊ぶ私という存在。

ジャッジや反省や比較のない真っ直ぐな目で私を愛そう。

全肯定。

ちょっと自分に厳しすぎたかもな。

ごめんね、私。

一生懸命だったんだよ。ごめん。

もうキョロキョロよそ見しないよ。

丸ごとそのまま、そのままのびのび、そのままを愛してるよ。