波その2 進むぜ

これは私にとっていい変化が起きているんだ。

すごくおっかなくて動揺しているが、同時にそれを強く感じる。いつか乗り越えなくてはならないことだった。

それがいよいよやってきた。

よく考えたら紹介状とこれまでの複雑な経緯を専門家が細かく説明した手紙を持ってホームドクターに診てもらえることになったのだ。これほど安心なことはない。

嫌だとか怖いとか言ったところで、事は進んでいくのだから、感情云々言ってないで事務的に対応するしかないのだ。

立ち向かうぜ。

三人に絞った先生のうち、二人は息子、母がお世話になっている。まさか先生がそれぞれにそれぞれの情報を漏らしたりはしないだろうが、それでも世間話のついでにお母さんどうですか、娘さんはその後どうですか、などとなることが全くないとは言えない。私にとって担当医はとてもプライベートなところだ。家族にも話していないこともやや、ある。できるだけ同じ先生を共有したくない。

すると残り、一人。

資料に載っている先生の顔写真をまじまじと見る。

頼りになりそうな優しい人にも見える。

横柄で気難しい人にも見える。

でも、この人かなぁ。

全神経を写真と口コミに集中したところで実際は個人の感想で個々、価値観や感じ方、好みは違うのだ。

結婚相手を選ぶようだ。

一度、精神科の先生を外したことがある。大きく外した。

行くたびに悲しくなり、自信をなくした。

相性が良くなかった。

もうあんな思いをしたくない。

その時は、勇気を持って自分を守ろう。我慢せず、状況を変えればいい。

よし。ようし。

あと半年ある。大丈夫。

何があっても私は進むのじゃ。

私がついてる。大丈夫。