公平

麻婆豆腐と春巻きタッパーがこの二日、冷蔵庫から出たり入ったりしている。

夫である。

1日目は、ごめん、食べながら寝ちゃったと言った。

違う。飲んできたのだ。

洗いカゴにわざわざ味噌汁のお椀とご飯茶碗を入れてさも食べたかのように見せるところが小賢しい。

問いただすとあっさり白状した。

今夜、これでいいね。

うん。

2日目の昨夜、春巻きはトースターで温めよと、そのまま二つ、お盆にのせた。

夜中、起こされる。

トンさんトンさん。ただいま。ごめん、ま飲んできちゃった。

嘘ついて怒られたものだから自己申告をする。朝だとしっかり文句を言われると、カミさんが寝ぼけているところを狙って言うあたり、知恵ものだと朝、気がついた。

麻婆と春巻きは冷蔵庫に戻っていた。

今日、自宅勤務の息子の昼ごはんにしよう。

片付くあてがあると思うとそれほど腹もたたない。

そんなもんである。

夫は食べるのか食べないのかわからない、

平日の夜はあれこれ用意せず、もう栄誉補給と割り切るか。

いっそのことタッパーにお惣菜を作ったのを入れておいて、食べてないならこの辺、どうぞ適当にというシステムにするか。

いや、奴のことだ、そんなことしたら大手を振って毎日飲んでくる。飲み、公認だもんねーと連日やりたい放題だ。

なんか悔しい。

そうはさせるか。

でも朝から今日は飲み会と言われるとラッキーと思うのに、不意に飲んでくると面白くないのはなんでだろう。

きっとその気楽さがどこか羨ましいのだ。

昼間の仕事のストレスとセットで交換してもらうとなったら私は断る。

そういうことか。うむむ。