土曜のカレー

朝、カレーを作って、ダーラダーラだーらだーら過ごす。

息子が体重を気にしていっとき「俺、炭水化物少なめの食事がいい」と言ったのでずっと作らないでいた。土曜はカレー!と毎週のように作っていたが、炭水化物の塊だから、この楽チンな逃げの一手は封印されていたのだ。

「カレースープなら作ってもいい?」

先日、そう聞くと

「なんで?」

とびっくりしている。

「カレーライスはダメって言うから。野菜たくさん入れてカレースープとサラダとパンならいいかなと」

「俺、カレーライスダメなんて言ってないよ」

・・確かに。

彼は確かにそうは言っていない。しかし炭水化物を減らしたいとユウタではないか。

ああ、そうか。カレーのルウに小麦粉が。ジャガイモが。それらも炭水化物なのだと知らないのだ。こっちは真面目に餃子もチャーハンも、肉じゃがも遠慮していたというのに。

「だって炭水化物減らすっていうから」

「夢でも見たんじゃないの。俺、そんなこと言ってない」

なーんだなーんだ。カレー解禁。わーいわーい。

というわけで土曜はカレーと決めていた。

骨付きの鶏肉と骨のないもも肉を半分づつ入れて圧力鍋でホロホロになるまで煮込む。

そしてダーラダーラ。

夫が4時半から女子のサッカー、7時からラグビー日本代表を観るんだと言っている。

そうか4時半から一階リビングのテレビの前から動かないのだな。

洗剤や油、ヨーグルト、酒、醤油、あと、パン。重い荷物を買いに出るのがこの暑さの中できない。夫の車は使えない。ネットスーパーを頼む。

配達指定時刻、17時から19時を選ぶ。しめしめ。

「5時から7時の間にスーパーの荷物が届くから受け取って置いてね」

「あ、ハイハイ」

二階に上がり、エアコンをつけてソリティアソリティアソリティア。時どき、下に降りて水を飲む。4時前からテレビに張り付いている夫が「大丈夫か」とこっちを振り返る。

「大丈夫っす」

台所にはカレーの匂い。

久しぶりに作ったカレーは特別凝りもせず、ただ、単純に材料と市販のルーを入れただけ。あえて言うなら炒めるときにクミンとウコンと生姜とニンニクを入れた。

でも、切って、炒めて、水を入れて煮て、ルウ投入だけのもの。

やたら評判がよかった。

カレーがダメなんて、夢でも見てたんじゃないのとまた笑われた。