またまたなにやらわけのわからないことを言いだしましたよ、あいつ。

最近、いい意味で「もうなんでもいっか」というふわふわした気分になる。

以前から瞬間的にそんな気持ちがやってくることがあったが、だんだんその回数と長さの分量が増えてきたような気がする。

入院していた時、ICUから一般病棟に移されたところ、周りは私のことを哀れんだが、実のところ、至福の中にいた。

そりゃ、家事も何もやらず上げ膳据え膳で寝ていりゃいいんだからそうでしょうよとおっしゃるかもしれない。

けれどそれとはまた違った次元の、意味もなく、安らいだ感覚。

ただ、生きて、食べて、寝る。それだけでいい。意味も何もなく、誰と比べることもない。

病院にいる患者はみんなそれぞれ個々に事情が違うから、それぞれが自分に向き合っている。そのことを互いによく理解しているから踏み込まない。

思うような検査結果が出なくとも、原因がわからず先生たちが頭を抱えていようとも、「お任せします」と、どこかふわふわした世界から自分を眺めているような不思議な感覚だった。

多分、全てを諦め、降参していたからだと思う。

退院して、日常が押し寄せてくると、辛かった。

そこからが辛かった。

それが最近、いろんな余計なものをどんどん捨てていく作業を繰り返していたら、「もうお手上げします」といった感覚がまたやってくるようになってきた。

自分のことを好きになるとか、誰かに認めてもらうとか、楽しみを見つけるとか、意味のある1日にするとか。

もうお手上げです。神様、私のことはお任せします。あなたを信じきります。

恥ずかしい思いをしたり、失敗したり、悔しい思いをしたとしても、それを体験したことに反応して、「次からは」「今度こそ」なんて自分を修正しようとしなくていいや。

またやっちゃった。

ダラダラ1日を過ごしても、今日の私はなんて振り返ることももうしない。

私って面白いなあ。

どこかもう一人の私が眺めてる。

そんな時間が増えてきた。

それでも買い物に行き、家族の食事を考えたり、段取りを組んだり、母との会話、夫と息子との暮らし、姉とのやりとり、現実世界の中で頭をくるくる回転させて、これでいいのか、これでみんなは満足するか、自分の行動を何かと照らし合わせてジャッジする。

そして、また、やってくる。

ま、いいか。うまくできないのが私だし。

今日もいい感じに適当に、安心して過ごしてみよう。