ゆるく

昨日は暴力的な暑さだった。

燃えないゴミの日で、出しておいたポリバケツを引っ込めようと出ていくとまだ中身が入っている。一瞬、バケツの前でボーッと立ち尽くす。これは何が起こってるんだろう。周囲を見渡すとポリバケツの出ているのはうちだけ。

えっと。今日、水曜だよね。自分に問う。

水曜だよ、その証拠に同じく水曜収集の空き缶とペットボトルと瓶の収集用のカゴがある。こっちはもう済んだようで畳まれて置いてある。それを持ち上げしまいながらもう一度、自分のポリバケツを覗く。何がいけなかったんだろう。

時々、間違ったゴミが混じってると、そっと置いていかれる。

しかし、一度それを経験したことがあるから細心の注意を払っている。どう見てもプラスチックゴミだけだ。サラダ油の入れ物がいけなかったのか。でも容器は洗ったし、プラマークがついていたしなあ。

時刻は11過ぎ。いつもならとっくに済んでいる時間だ。もう諦めて引っ込めようかと考えたが、いや、と気を強く持つ。

何も間違ったことはしていない。恥ずかしくない。このままもう少し様子をみよう。

そのまま放置し、家に戻った。

ほんの数分だった思うが、玄関の扉をしめてトイレに入ると頭がクラクラする。脹脛の裏側もジンジン痛い。

ああ。自分のことばかりだったが、この暑さ、ごみ収集のおじさんたちも休憩をとりながらの作業かもしれない。誰か具合が悪くなって一旦どこかで休んでいるのかもしれない。救急車を呼ぶ事態になっていることもありうる。それでもやめるわけにもいかず、続けているのか。

途中途中で水を飲んで休まないと死んでしまう。

夕方になってもまだ中身が入っていれば引っ込めて来週出せばいい。

それでも気になってそれから何度も出たり入ったりを繰り返し、ゴミ箱は3時に無事、中身が空になっていた。

しみじみ、ありがとうございます。。と同時にすみませんと恥じる。

午後3時までのたった数回の出たり入ったりだというのに頭はぼんやり、少し痛く何もやる気が起きない。今日は家にこもってあの本をと予定していたが開く気になれない。難しい内容でもない、おちゃらけた軽いものだというのに、活字を追うこと自体、億劫だ。

そりゃあ炎天下のゴミだって・・とまた思う。

海外ドラマをつけてみたが45分も持たず、半分でやめて目を閉じた。それからずっとソリティアソリティアソリティア。そしてラジオ。目を閉じて、またソリティア

6時になった。起きなくちゃと思いつつ、まあいいかとグダグダしていたら7時になった。

健康維持のために続けている習慣をいつもは6時半にして、それから風呂に入り、夕飯を食べる。

健康管理のためのマイルールをスッとばす。

いつもならこれをやらないと自分が壊れてしまうと必死に守ってきたことだった。

もういいや。抵抗しない。

これで少し体に影響があっても寿命が一年二年と変わるわけでもない。誰に指摘されるわけでもない。これを休むことで起こる困ったことといえば、私が「ああやらなかった」と落ち着かなくなってなんとか取り返さなくちゃと焦ることくらいだ。

つまり、私がそう思わなかったら何も、困ったことは世の中に起きないのだ。

私の意志で、選んで、やらない。

今日は、じゃなくて、明日だっていつだって、無理だと思った日はやらない、を選ぶことを新たな決まりにしよう。

そう心の中で自分に言って「そういうことだから」と落ち着く。

そういうことになったから。たった今から。だからいいの、大丈夫。

今日の私の大事なことは、明日につなぐ事。

普通に起きてご飯を食べて生活する。それを繰り返せるよう、次の日までつなぐこと。

猛暑だからじゃない。

秋になって冬になって春が来てもこれからの私はそうやって日々を送ろう。

あれを成し遂げる、これを身につける、積極的に外に出る。

は、オプション。

とにかくなんとなく、ゆるゆると生きて、繋ぐ。

そうやって1日1日生きていけばいいや。

一つ、マイルールが飛んだのでいつもより長く風呂に浸かった。

こんな日もいいなあ。