昨日はどういうわけか動くとフラフラした。
このところ体調は良く、これと言って心当たりもない。急に来た。
足が重くちょっともつれ、無意識のうちに食器棚や椅子に捕まりながら部屋の中を歩く。
冷蔵庫には鶏もも肉と豚こまが私を待っている。
ナスとピーマンと豚肉と甘味噌炒め、下味がついた鶏もも肉は南蛮漬けにする予定でいた。
エンジンはかからずぼんやりパソコンでnoteを覗く。#で今自分が興味を持つことを入れるとそのことについて私以上に熱く語っている人がいたりする。これは最近見つけた遊び。
面白くて、読んでいる本のタイトル、住んでいた神保町という地名、好きな俳優、漫才師、落語家、いろいろやってみた。
Twitterだと情報として入ってくるが、ここだと個人の暮らしぶりや人間性が見え隠れしていい。体温を感じる。
どこか知らないところに散らばっている人たち。
このサイトでチラリと通過するだけの顔も声も形も知らない人。なのに電車で隣に座った人よりグッと近く感じる。
立ち上がり、とりあえず豚肉だけ、処理する。
ナスとピーマンは持ち越しにして、豚丼の具にした。
玉ねぎを炒めフライパンに蓋をしてぐったりさせる。とろとろになった玉ねぎの上にパックの中でぎゅっとくっついている豚肉を一枚ずつ広げてのせ、また蓋をして弱火で蒸す。
豚の色が変わってきたら甘辛だれを入れ、絡めたら、肉と玉ねぎをフライパンの端に寄せて砂糖の混じった醤油だれを沸々させる。
生姜と醤油の混ざった香りがする。
子供の頃、暮れになると母が作った煮豚のタレと同じ匂いだ。母は肉の塊を一旦取り出し、タレに砂糖を追加してさらに煮詰めていた。
匂いと記憶は繋がっている。
出来上がった豚こま丼の具はフライパンの中にそのままにした。
ついでに味噌汁の下拵えをして、台所からは撤退。
今日は頑張れない、じゃなくて、頑張っちゃいけない日にしよう。
頑張っちゃいけないゲーム。
カーペットに糸屑が。掃除機かけないとなあ。
ダメダメ、頑張っちゃダメなんだから。
トイレ掃除。
ダメでしょ。頑張っちゃ。
でもトイレだけは。これだけ。
しょうがないな、じゃあこれだけだよ。
洗濯物を取り込むだけでも「ほら、また」と脳内の私が私を叱る。
ダメでしょ、働いちゃ。
ほぼ、寝っ転がって本を読んで過ごしているのに、なんだかすごく働いている気分になった。
鶏肉はそのまま冷凍庫に入れた。
えらい。
頭の中の私が私を褒めた。