昨日、午後から歯医者でタイミングを逃し昼ごはんを食べそびれた。
家に戻ると5時半。そのまま夕飯の支度をしてちょっと横になった。
ゴロゴロしながらドラマを観て、再び立ち上がったのは7時だった。
あんまり疲れたので何か自分にご褒美をしてやろうと平日なのにビールをつけた。
鯵の塩焼きに蒸し鶏、白和、南瓜の煮物にサラダと砂肝。
昼と夜のおかずを一緒くたに乗せてテレビの前に陣取る。
プシュッと開けて、トトトトトッとコップに注ぐ。初めはグイグイっと飲んだ。
ふわっと回る。録画していたお笑い番組を一人見ながら食べる。
大爆笑するほど面白いわけでもないが、酔った気持ちよさからわざと声を上げて笑ってみた。
「ふふ」「ふふふ」
自分の笑い声と酔いとの相乗効果か、なんだかすごく楽しんでいる錯覚になる。
すごく楽しんでいる自分。ご陽気な自分。
疲れ切って沈んでいたのが切り替わる。いろんなことがとりあえず棚上げされて、笑っている。
満ち足りている気がしてきた。
夫を思った。
どうしてこんな程度のことで笑うのかと思うくらい、どうでもいいところでいちいちウケて喜んで笑う。
「笑いのレベルが低い」
意地悪く冷めてみせてもケロケロ嬉しそうに笑う。
小学校5年の時に突然両親が離婚した。大好きだったお母さんと別れ、父子家庭が始まった。
5年生といえばまだまだ子供だ。
子供だけの食事、お弁当のない遠足、運動会。中学は毎日お弁当の学校だったので隠れてパンを買って隠れて食べていた。
辛い時を彼はテレビをみながらたいしておもしろくなくても必死に声を出して笑っていたのかもしれない。
どんなきっかけでも笑おうとしていたのかもしれない。
潰されないように負けないように、些細なことでも貪欲に笑う。
笑いのレベルが低いのではなく、見つけて笑うのが上手になったのだ。
そういえば複雑な問題を深追いしない。真剣に向き合うが深刻にならならい。状況を状況として捉え、戦うこともあるが誰かを恨まない。
幼少期から身につけた術なのかもしれない。
ゆるくなった頭でほんわかぼんやり感じた。
優しくしてあげよう。
夫はこうやって頑張ってきたのか。