子犬が戯れる

深夜に目が覚めベッドを覗く。いた。

Tシャツにパジャマのズボンで大股を広げゴーゴーいびきをかいている。

いる。ならいい。

家に無事に帰ってきたならそれでいい。そのままトイレに行ってまた寝た。

しかし息子はそうはいかない。

「おい、新聞なんか呑気に読んでる立場じゃねえだろ。べろべろに酔ってきやがって」

もはやただ、絡んでいるといっていい。

「おい、このマグカップ、洗え。きたねえだろ」

自分こそ風呂上がりに水を飲んだのをそのままにしておくくせによく言ったものだ。

すーっと息子の横に並び、小声でつぶやく。

「あなた、お皿洗うの大好きだものね。毎朝必ず自分の食べた食器、洗っていくもんね」

時間がないと言い残し、しれっと置いていく。それまでさんざんテレビをの観て、庭を眺め、のんびりまったり過ごしながら必ずそうなる。確信犯だ。

「父さんに喧嘩売ってるとき、目がキラッキラしてる。」

にやっと笑って返してきた。