ボールを投げる

昨日、夫にメモをしたのは結果、よかったと思う。

いつものならモヤっとしたわだかまりを自分の中でこねくり、じわじわ発酵させてしまう。

一日中、そんなのが充満した頭で過ごすのだ。

パッと反応して、ぱっと返ってきた。

ムッとしたんだぞと伝え、ごめんごめんと返事され、落ち着く。これまでその手間をかけず飲み込んできた。

まあいっか。とサラッと流せる自分になりたいなあと思っていたのもあるけれど私はそんなふうにはなれそうにもない。

溜まったマグマを噴火させるより、笑いと小さな怒りで突っつこう。

まだまだ私という人間がわからない。

自分のことですらわかっていないのだから、夫のことも半分もわかっていないのだろう。

たとえ30年一緒に暮らしていても。

たとえそれぞれの人生の半分以上を共に過ごしたとしても、よく考えたら1日の半分以上は別のところにいるのだ。

見ている世界、置かれている状況、抱えている問題、互いに違う。

彼には彼の、私には私の事情がある。

違うから居心地もいいのだ。違うから、ちょいちょいボールを投げ合わないと。

夫から「ごめんね」とクマが手を合わせて汗をかいているスタンプが送られてきた。

にやっとする。

にやっとする自分にちょっとホッとした。