飲むぜ

土曜の夜、ビールを飲んだ。

ゴールデンウィークのあたりから晩にノンアルコールではなく、ちゃんとアルコールの入った350mlのビールを1缶、飲む楽しさに目覚めた。

もともと強い方ではなかったか退院したあとに心不全を起こしてから一切やめていた。担当医は飲んで大丈夫と言ってくれたが、飲むと心臓がバクバクするのではないかと勝手に自制していたのだ。

喉を通っていく感じはノンアルとかそう変わらない。しかし、数分後、頭がふわふわとしてくる。自覚するのはそれだけなのだが、そのふわふわした感覚の中にいる自分はよく喋る。

夫と息子が揉めようがなんだろうが、そんなの知ったこっちゃない。ああまたやってるとその場にいるのにその場にいないような、二人の喧嘩を遠くから眺めている感じ。

「うるさい。テレビが聞こえなーい」

とかき混ぜるように言う。

普段なら頭に浮かんでも口にしない言葉をベラベラと発信しているともう、なんでも言ってやれという気になってくる。

「こんばん、お皿洗ってよね」

洗ってくれる?でも洗って欲しいでもなく、ふんぞり返って洗えと言う。

要領よく逃げようとする息子にも「食べたお皿、私のも下げて」と言う。

二人とも文句を言うでもなくヘイヘイと動いていた。

無意識のうちに二人の機嫌や体調、心の様子を気にして立ち回る平日を開放させる夜。

週末のお楽しみにしよう。