怠け族

昨日の午後はずっとゴロゴロゴロゴロ。

海外ドラマを観たり朝ドラの録画を観たり。本を読んだり、昼寝をしたり。

小さく小さく浅く浅く細切れのお気に入りを繋ぎ合わせて時間を過ごした。

Twitterを眺めていると誰かが「今日は低気圧のせいにした」と呟いているのを見て安心する。

ああ私だけじゃないんだ、気のせいでもないんだ。雨だと途端にやられてしまう。

やる気と意欲を全て持っていかれてしまうのだ。

朝から頭が重く、痛く、眠い。瞼もしょぼしょぼし、夜中寝ている間に頭の芯に何か詰め込まれたのかという、そんな怠さ。

本当は余ってしまっている絹ごし豆腐を使って朝から豆腐ハンバーグをたくさん作るつもりで合い挽き肉を買っておいた。

午前中のうちに簡単な下拵えと汁物だけ作っておく予定が、どうしてもその気になれない。

意味もなくパソコンで「絹漉しどうふ、大量消費」などと検索をする。

ハンバーグでなくとも何かもう少し手軽にいい方法はないかと探す。キャベツと卵でお好み焼き。麻婆豆腐。ホットケーキミックスでパン。どれもめんどくさそう。

母が銀座のどこかの郷土館で買った白和の素をお土産にくれた。あれを使って何かできないか。

白和、大量、リメイク。

白和でがんもどき。白和でグラタン。白和と卵でオムレツ。

私の変な癖で体調が優れない時に揚げ物をすると何かやった感が出て納得する、というのがある。

白和でがんもどきに惹かれる。片栗粉と卵を混ぜて油にぽとぽと落とすだけ。これを昼のおかずにしよう。

できた。

それらしいのができたが彼らが喜んで食べるか自信がなかったので甘辛ダレを上からかける。

おにぎりを握って大皿に並べ、がんもと並べておいておく。

合い挽き肉は山本ゆりさんのレシピでレンジで作るハンバーグにしよう。こういうときの山本ゆりさんは救いの神だ。

玉ねぎとパン粉、卵、牛乳、塩胡椒と挽肉を混ぜて二等分したものをトマトの水煮とウスターソース、砂糖、コンソメを混ぜたものの上に置いてチン、裏返してチン、出来上がり。

洗い物をしながら、寝るぞ、ダラダラするぞ、あとはぐうたら過ごすぞと頭はそれしかない。

息子が降りてきた。ヘンテコがんもを気に入って食べている。

「おにぎりうめえ」

「よかったね」

言いながら、床に寝転び動画を見る母。

夫が降りてこないので残ったガンモとおにぎりをカゴに入れて2階に持っていく。

「ありがとう。力でるぅ」

「それは良かった」

また寝転ぶ。

それから母がやって来ようが夫が降りてこようがずっと打ち上げられたトドのようにずっと横になり途切れ途切れにあっちの動画、こっちの動画、時々昼寝、また動画。

日が暮れても電気もつけずにゴロゴロし尽くした。

いいんだ、これでいいのだ。ダメな日はただ、生きていればいいのだ、焦るな。焦るな。存在していればいいのだ。

自堕落に過ぎていく時間の言い訳を都合よく自分に言い聞かせ、正当化していた。

 

今朝、ラジオのリスナーが自分の毎朝のルーティーンを紹介する投稿が取り上げられ読まれた。

家族のお弁当作りがあるので毎朝4時に起床しています。

お弁当を作ったら自分の英語の勉強をし、大好きな音楽家YouTube配信を見ながらコーヒータイム。

身支度を整え、仕事に行く支度をしていると家族が起きてきます。家族の朝食を作り、子どもたちを学校に送り出してから私も出勤です。

・・・叶わない。

きっとこんな人がたくさんいるんだ。

低気圧のない世界に行ったとしても、私はやらない気がする。

怠け者なのだ。私はそういう人種なのだと自分を納得させる朝。