朝起きてきたら昨日のおかずがそのままラップをかけて冷蔵庫に入れられていた。
ゴボウと鶏の甘辛煮。ガックリくる。小さく怒り。
確かに牛蒡に片栗粉をまぶしすぎた。所々ダマのようになった片栗が牛蒡同士をくっつけてネチャッとしてしまった。
二つあった皿の一つは洗い桶にあるから、夫と息子のとちらかが食べ、どちらかが手をつけなかったのだ。
排水溝の流しの蓋を開けるとそこに見事に牛蒡だけ、ごそっと入っていた。
ダブルパンチにすっかり気が萎む。
唐揚げにしときゃよかった。
いつも同じじゃ飽きるかと普段は作らないものに挑戦したのだった。牛蒡はいつもきんぴらかしぐれ煮、豚汁、炊き込みご飯。鶏は唐揚げか照り焼き、あとはカレーに入れる。ゴボウと鶏肉の甘辛煮はインターネットで見つけて簡単そうだとやってみた。
午前中、芝刈りをした。
1時間程度だったが、みっちり集中して疲れた。
疲れていたのに、妙なエンジンがかかっていたものだから、その勢いで夕飯の支度をした。
片栗粉をつけすぎたのはきっと、作業が荒かったののだろう。
10ある体力のうち、7を芝刈りに使った。
残っていた3のうち、2.5を鶏牛蒡に注ぎ込んだ。
配分が悪かった。これが鯵の干物がそっくり残っていたとしたら、こんなにガックリはしなかったろう。
小さな怒りを向けるのは己の小ささなのだった。
家族には家族の事情があったはずだ。
今日は母の家の方の庭の芝刈りと予定している。
冷凍の春巻き。最悪、残っているカレーでいいとしよう。
機嫌よく。限界までやらないこと。
疲れたら途中でやめること。
ムキにならないこと。
ご褒美を用意しておくこと。
ぐるっと散歩をしながら「ようし」と再挑戦。