ポチの散歩

一昨日、もやもやを吹き飛ばしたくて本能の赴くまま歩いたらスッキリした。

それは天気の良さと気持ちい風の中、子供の頃の甘ったるい記憶が戻ってきたのとで、自分の中にあった燻ったものを洗い流してくれたのだった。

そして昨日、予定通りの雨。予定通りにラジオ体操も朝の散歩も中止した。昨日、そのためにたっぷり歩いたのだ。

家族はそれぞれ用事があって午前中、出かけていく。

あれはなんだろう。妙に落ち着かなく、ちょっとだけと家を出た。

ちょろっと外の空気を吸ってくればそれでいいのだ。まるでラジオ体操のハンコだけを押しにいくように、形だけいつものをなぞって安定する。

雨の中、行くあてもなく、とりあえず三軒茶屋に行ってTSUTAYAでものぞいてこようかと進み始めるが、雨は思いの外強く、寒い。

足がジンジンして、坂道の途中で挫折。くるっと向きを変え、またその道を戻る。

犬を飼ったことがないから知らないが、お向かいのおばさんが、「この子、そこの角まででもいいからとにかく一日一回、外に出さないと落ち着かないのよ」と、ほんの数メートルしかないところまで歩かせていたのを思い出す。

あれと同じだろうか。

そんなに私の体は健全になってきたのか。それともルーティンを続けていないと何かが壊れると思ってしまう神経症なのか。

どっちだなんだかなぁと考えながら、家を通り過ぎ、いつものスーパーに立ち寄る。

人参の形のラッピングに入ったポン菓子とチーズとパンを買って家に帰った。

向かいの犬と同じで、そこから落ち着いてゴロゴロ三昧の土曜日。