憧れ

家計簿をつけていた時期があった。封筒小分け方式もやったし、毎日記録するのもやってみた。学生時代の試験前のスケジュール計画と似ていて、どんなアクシデントがあるかわからない。あらかじめ厳しめの予算を作成する。

毎日、ヒヤヒヤ気を引き締め、とにかく無駄使いをしない。

月末意外とお金が残っているとホッとする。しかし、まだ使えると安心しそれまでの我慢が緩みきっちり使う。月末のお楽しみのため月のほとんどは緊張している。家計簿をつけている時はなんだか四六時中、綱渡りをしているようだ。

まだ大丈夫だよね。毎日残金を確認する作業をしていないと不安になる。

こういうところのバランスの取り方が下手だ。

今は自分の勘が頼りだが、月末に使い切ったりしないからかこっちの方がうまく回っている。

 

レシピノートというアプリを使ってみた。

家族が気に入って何度も作るものだけ、集めて書いた。

毎回毎回、どの本だったっけ、誰のサイトだったっけ、と散らばった中から探していたので、一つのアプリにまとめたら便利だ。第一、さっとタブレットから自分専用のレシピ集を開くなんてかっこいい。いかにもできる人という感じじゃないか。

これでよし。

しかし、台所に立って、そうだアレにしようと思った時、タブレットからそのアプリを立ち上げるのが面倒くさい。

ノートに書けばよかった。

毎日使っているから使いこなせている気でいたが、やはり昭和の人間、タブレットをノートや雑記帳のように気軽に使えない。

汚したくない、水が飛んだらヤダ、アプリを立ち上げてもそこからまた目的のレシピまでスクロールするまでがまどろっこしい。

確かあの本のあのへんだったよな。

結局、濡れた手で本をめくる。何度も開いているから折り目がついて開きやすくなっていてすぐ見つかる。レシピアプリは自己満足に終わった。

私は素敵な奥さんにはなれない。