今観ている海外ドラマはファミリーもののシットコムなのだが、三つの家族が出てくる。
どの家庭も個性炸裂で実際にこんな家族はないだろうが、誇張こそあれ、案外、どこの家でも似たようなことがあるから人気なのだろう。
それがホッとさせる。
変わり者、生意気な奴、嫌味な奴。こいつ、やな奴だなあと思う女の子、道化役のようで実はこの人が一番おおらかなまとめ役なのかもというひと。そして全員が揃って自己主張が強い。
だからいつもくだらないことでいちいちやり合い、馬鹿らしいほど簡単に水に流し笑って終わる。
これでいいんじゃないの。
この風通しの良さ、馬鹿らしさ。
近づきすぎると互いに鬱陶しく、距離を置きすぎると微調整が必要になる。
お互いを気にしつつ、面倒で、放っておけなくて、放っておいて欲しくて、放って置かれ過ぎると寂しくて。
理屈も何もない。筋が通っていない。
結局は愛なんだ。
恋をすると、その異性を突然気になり出して自分の生活に入ってきてしまうように、家族にモヤモヤするのも、気になったりイライラしたりするのも特別な存在だと思っているから。思い入れが強すぎて拗ねたり怒ったり傷ついたりする。めんどくさい。
ドラマと自分の家族を当てはめて眺める。
登場人物たちは誰もが強烈すぎておかしいけれど、愛らしい。
ひとりひとりは、凸凹が激しくツッコミどころ満載なのに、一つのキャラクターとしていい味を出していて必要。
全員が似たようなキャラだったら観ていてつまらない。
勉強の好きな子。ゲイの子。美しい子。鈍臭い子。太っている人、筋トレ命の人。神経質、おおらか、気の利く奴、しらけさせる天才。
わちゃわちゃしていて、これがいい家族像なのかどうかより、飽きない。
それぞれが生き生きとすればするほど、揉め事もちょいちょい起きる。
こんなもんだよな。
夫も母も姉も息子も。うちの凸凹加減も絶妙だ。
とにかく私は私をまっとうしよう。空で眺める神様がきっと「こんなのもいたら面白い」と作り出したキャラクターなんだろう。