昨日はどういうわけか外に出る気になれなくて一日家の中にいた。
ポストすら見に行かなかった。
しとしと雨と冷たい風がその気力を削ぐ。今なら小降りだ、今なら行けそうと外を見ては自分に言ってみるが今晩のグラタンはもうこしらえてしまったし、どうしても必要なものもない。無理しなくていいんじゃないのともう一人の私がガウンを引っ掛ける。
あ、こりゃ心の奥底では行く気がないな。
お尻を叩いていた方の私は案外すんなり諦めた。
ラジオ番組の録音がパソコンに溜まったので整理する。
去年の9月からのお気に入り番組8つ、特番、2つ。
それらを音楽アプリに移し、それぞれのプレイリストを作った。
気に入った順番に並べ直し、それぞれに名前をつけ、重複しているものを消したりと思っていたよりは時間がかかった。
この作業をしている間も、好きな番組の好きな回を聴きながらやっていて、その時間が濃く、夢中になる。
できた。
嬉しい。
いそいそとその中から一つ、再生する。
もう何回も聴いたのに、好きな声が好きなテンポで好きな話題で笑っている。まるで何度も読んだ本を読み返しているような、なぞるような安心する世界が、ずっと続く。
シェルターみたいだ。
強烈に自分を惹きつけるわけじゃないけれど落ち着ける。
ライブラリーのプレイリストには私だけにしかわからない、一貫性のないものが並ぶ。
クラシックだったり、ミュージカル俳優だったり、漫才師、落語家、ラジオ局のアナウンサー、関西、福岡、群馬から見つけた番組。
賑やかだったり、ボソボソ喋っているだけだったり、穏やかだったりそれぞれ違うが、どれも確実に私のツボを刺激してくれる。
今日はここがしんどい。今はこっちの気分。
その時々の自分のコンディションで弱ったところを優しくさすってくれたり、刺激してくれたりする。
ふっふっふっふっ。
これで、しばらく、また怖いものが減るであろう。
体調が悪くなって気が滅入りそうな時、素敵にやっている友人を見聞きして自分と比べそうになった時、悪気はない母の無邪気な暴言にグサッときた時。
ここに戻ってくれば。
彼らが間違いなく、私を癒す。
目を閉じて聴いたり。台所に立ちながら。お風呂に入りながら。
どこにでもついてきてくれる。
ふふふふふ。
あ、私、今、ウキウキしてる。