強制終了、のち、再起動

朝からじゃがいもを蒸す。マッシャーで潰す。玉ねぎを刻む。ひき肉と炒める。混ぜて団子にしてパン粉の中で転がす。

面白そうな本を見つけ、面白そうな新しいドラマシリーズを見つけ、コロッケにしようとひき肉を前日買ってあり、今日はお楽しみがたくさんあるんだなあと弾んでいたら、午後、想定外な事態になった。

どうにもだるく、頭が回らず、起きていられない。

目と頭が重く思考力もない。

脳みそだけはなんとか抵抗しようと横になったまま本を広げてみるが、数行読んでは意識が遠のく。

メインイベントのはずのドラマも鬱陶しい。

毎週楽しみにしている大吉先生のラジオですら、うるさいと感じるのだからこりゃダメだ。相当だ。

こんな状態ではもったいない。ワクワクしたくて用意したものたちを、ただ無為に時間を過ごす道具にしたくない。

全て諦めるべし。

目を閉じてYouTubeでもう何回も聴いてネタまで覚えている漫才を流しながら横になり夕方まで過ごした。

こういう計算違いが時々ある。

パソコンをシャットダウンを怠って、使いづつけていると時々フリーズすることがある。いろんなアプリを立ち上げ過ぎていたり、容量の多すぎる動画を保存したりすると動きが緩慢になったりもする。あれと似ている。

それなりに動きはするのだが、あるとき突然、「ちょっとムリっす」と身体の方から言ってくる。

脳みそはやる気満々だったのにガッカリするのだ。

「体と頭と意見が分かれたときは身体を優先してください」

担当医が教えてくれた。

新品の買ったばかりのパソコンに比べてフリーズが増えたなあ。

やれやれと、再起動をかける。

目を閉じて。じっと目を閉じて。よりよき明日のために。メンテナンスをマメにしてやればまだまだ長持ちするのだ。

大事に大事に使いましょう。魂の入れ物。