美しいなと思った。
ただ、生きているだけの植物の放つ静かなエネルギーにそう思った。
余計なことを考えず欲張らず、でも正直に。
込み上げる何かを隠そうとはせず、誰かと自分を比較せず、ただ、自分の道を味う。
比較されても比較しない。
批判されても批判しない。
いつもとちょっと違う何かが起きた時って、神様からの何かサインだと思う。
そんなことを結構本気で子供の頃から思っていた。
小学生の頃母にその考えを話すと「そんな考え方はよしなさい」と言われ、封印してきたがやっぱりそう思う。
先日の、幼い息子の書いた手紙や結婚式当日の夫からの手紙を発見したことだってそんな気がする。
同じ道をいつも歩いているのに、今日に限って赤く色づいている葉っぱに惹きつけられるのも。
日常に小さなサインを送って気づかせてくれる。
10年前、倒れて生死をさまよい、そのあと、鬱になった。あれは自我の強さでそのサインを見過ごし続けたものだから、ついに
道が違うよ、こっちこっち、そっち行くと危ないと、力づくで教えてくれたのだ。
これから。何を目的に何を成し遂げようかと方向性を定めようとしたけれど思い浮かばない。
なんとなく、なんとなく、平和に、夫と息子を、母を姉を、友を愛する。
それだけしか浮かばない。
私は社会や世の中を照らす人ではないけれど、社会に出ていく人たちが安らげる場でありたい。