お礼の言葉

知人から立派な長芋が届いた。

毎年この時期にご実家の長野から送ってくださる。

友人だとすぐにLINEで「届いたよ。ありがとう」と送り、短いやりとりをして終わる。

短いおしゃべりもできてその瞬間、ぴゅっと繋がる。それもまた嬉しい。

長芋の知人は目上の人なのでぴゅっというわけにはいかない。

お礼状を書くのだがいつも書き始めるまで構えてしまう。

ペラペラお話ししたい近況報告はたくさんあるのに、家族それぞれのプライベートなことをどこまで書いていいかも、迷う。差し障りのないことをとなるといつも同じような内容で、いかに我が家でこの長芋が大喜びで食べられているか、木屑に埋まった長芋を取り出すときのいい香りがワクワクするか、どうやって食べるのが好きかなどを書くことになる。

書きながら、通り一遍の手紙のようだと無難を選んだ文面に自分で自分にガッカリする。

そして長芋の箱が新たに届くたびに、今度こそと思う。

今度こそと気負いすぎてその重圧に億劫になり始めると、内容はともかくお礼状はすぐに出すのが一番と結局、サラッとした当たり障りのないものになる。

数年前、「長芋は滋養にいいからコロナ対策にたくさん食べて免疫力をつけます」と新しいことを付け加えてみたが、まさかこう何年も続くとは思わなかった。

 

足元の冷える季節となりました。ドトールの店内も入り口近くは長居をして読書なんてできません。

ってわけにいかないもんなあ。

「ご自愛ください」のひと言に彼への想いを込めてお礼を伝えよう。