昼下がり

歯医者の予約が入っていたので午前中のうちにトマトのスープと、レンジで拵えるお手軽チーズハンバーグを作って出かけた。

天気も良く風も少ない。

こんな日は二子玉川の大きな本屋に寄り道したり、大井町線のどこか知らない駅でふらりと降りてみたりするのにピッタリだ。

夫も息子も出社していてこの三拍子が揃うのはそうそうないことなのに。

頭の芯がまだ痺れている感じがする。今日は大人しく帰ろう。

帰宅した午後、ぐだぐだ昼寝して海外ドラマを観る。

陽の当たる小さなリビングに一人寝転ぶ。目を閉じたり起きてドラマの続きを観たり。

洗濯物を取り込んで二階で夕焼けを眺めてまた降りる。

またドラマ。

幸せだ。

いろいろあるし、あったけど、間違いなく幸せだ。

街ですれ違う美しく若々しいランナー。

カフェのかわいいはつらつとした女の子。戸田恵梨香だって北川景子だって。

素敵だなあ。いいなあと、憧れる。

いろんな人を見るとみんな、素敵に思う。

それに比べてへっぽこで、スタイルもセンスも容姿もパッとしない。

母の言うように確かに鈍臭い。

でも、今の私を全とっかえしたい誰かは見つからない。

この、取り柄もないこの自分の人生がいい。

そんなことを思ってゴロゴロしていた。