いっちょいで

今日、大きなラグビーの試合がある。

高校大学とラグビー部にいた夫は見逃せない。

今日は義父に会いに行くつもりだと昨夜言っていた。

帰ってきてから録画に釘付けだろう。

それとも家族がそれぞれ二階に上がった夜更け、一人でゆっくり堪能するつもりだろうか。

・・・まてよ・・。もしかして観に行くってこと・・ありえる。

毎年新年の大学ラグビーの決勝戦を競技場で一緒に観る仲間がいる。

この数年、コロナでいかなかったが、ボチボチそれも復活するであろう。彼らならどんなビッグゲームでもチケットを手に入れる。

取れたから行かないかと誘われたとしたら彼なら飛びつく。

そしてしれっと小さな嘘をつく。奴ならやる。

そう考え出したらどんどんそう思える。

試験を受けに行くといって家を出て、こっそり千葉までドライブして寿司を食べてきた男だ。

ちなみにこれは千葉で衝突事故を起こして警察からの電話でバレた。

あまりのショックで私は泣いた。

信用ならぬ。

ラジオ体操しながら頭はそれでいっぱい。

どうしてやろう。そうはさせるか。携帯の位置情報確認機能をオンにさせてから出そうか。

試合の時間に電話してみようか。

あれこれ策を練る。

だんだんどっちでもよくなってきた。家を出て帰ってくるには変わりない。

そもそもなぜ私はそんなにムキになるのか。

千葉だ。あれがトラウマなのだ。

あれも事故だの警察だのが絡んだから動揺したが、よく考えれば家族に内緒でドライブしてきただけだ。

私が朝、こっそりドトールに寄って帰るのと同じじゃないか。

歯医者に行くといってその帰りに二子玉に寄ってくるのとも大差ない。

行きなさい。行くが良い。お友達と楽しんでおいで。夕飯までには帰ってくるんだぞ。飲み会までは行かないで欲しい。

もはや騙されている前提。本当に義父のところかもしれんのに。

ここまで行き着いたらさっきまでざわついていた気持ちが落ち着いた。

めんどくさい私だ。


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朝陽が当たって紅葉が輝いていた